農場づくり 雪解け対策/豚パドックの工夫/未舗装道路の整備やり方

雪解けの時期
北海道釧路のこの時期
気温は-気温から
日中はプラス5℃から10℃程度まで
暖かい日が続き
雪解けが進みます。
フキノトウが芽を出し始め
鹿の毛が抜け始め
ところどころの山道に落ちています。
地面はぬかるみ
車のわだちで凸凹
渡り鳥の白鳥が上空を群れで移動しています。
雪解けで地面が見え始め
小動物が活動を始めると
キツネも農場の鶏はあきらめて
豊富な餌を探して移動を始めます。
動物たちがつかの間の春を感じ
感受性の高いもの
飢えたものから順に
最後の力を振り絞り
何か行動を始める。
この時期の鹿はみな
やせ衰え
道東の冬を乗り越えることの厳しさ
を物語っています。
「雨降って地固まる」とは
上手く言ったもので
つい先日まで
雪解けで道路がベチャベチャで
昨年の春もこんなにベチャベチャだったかね?
なんて話をしていたところですが
一雨ふると雪がすーと解けて
地面がしっかりしてくるものです。
都市部にお住まいの方には道路がベチャベチャの状態が
想像しにくいと思います。
本当に泥濘して
乗用車が前に進まないくらいの状態になり
ハンドルを取られまっすぐ走ることができない状態
4WDが必要な理由の一つですね。
知り合いの2WDの乗用車では
少しの坂も上ることができませんでした。
やはりこの地方では4WD機能は必要のようですね。
この時期の豚や家畜たちは
厳しい冬を乗り越え体力が落ちています。
特に小さな個体には影響がでますので
観察が必要です。
-20℃の世界を乗り越え
ふっと
気が緩んで
あっというまに
死んでしまいます。
豚はまだ放牧地へ放しておらず
冬用の屋外パドックで暮らしています。
地面に雪があり
地下がしっかり凍っている時期は
身体が濡れず
固まっていれば体温は維持できるのですが
雪解けで、水たまりができ
身体が濡れ
日中の寒暖差により
体力を一気に奪われます。
パドック内の状態は
ひとシーズン、地表面が豚により耕起された結果
植物、微生物層がはぎとられ何もかも
食べつくされた状態
その上に糞尿が堆積しています。
雪解けで水分が飽和した砂礫層に
雪解け水が浸透していかず
豚が運動により攪拌する為
泥濘化が加速し
乾燥した場所がなくなります。
シェルター(豚の小屋)のなかも
豚たちが穴を掘る為
水が溜まります。
身体を横たえる場所がない為
夜も立ったまま寄り添いあって寝ています。
ある意味、一番危険な時期となります。
農場内の道路はもう少し季節が進んで
草や野花が芽生えるころ
トラクターで鋤いて整備する予定です。
地面が柔らかいうちに
トラクターを走らせると
泥濘化が逆に加速しますし
作業効率がとても悪い。
固まったら
道路を削って
排水を考慮して
クランクを出します。
クランクとは道路は平ではなく
傾斜してつくられているということです。
この少しの傾斜がとても重要です。
道路の敵は「水」
「水」の動きを制することが
道路維持の肝になります。
その為、クランクと言って
少しの傾斜を道路に付け
道路中央を少し高く
両サイドを少し低く
加工することで道路わきの排水路へ
水を誘導するのです。
水が縦横無尽に道路を走ると
雨裂と言い
すぐに水路ができて道路が削られてしまいます。
水の力はものすごいもので
簡単に道路が流されます。
特に農場の道路は
舗装していない未舗装道路なため
あっという間です。
シーズンでたまった土を道路わきに
トラクターで押すだけでは
雨水により徐々に流された
土がまた道路内にたまり
泥濘化の原因となります。
道路中央は高く
道路わきは低く
これが原則です。
豚小屋は
放牧養豚において
雨風(風雪)、夏の強烈な日差しがしのげ
豚のグループが睡眠をとるとき
固まって寝るために
頭数に対し適正なスペースがある。
これらの条件が整えば
高級ホテルのように作る必要はありません。
総じて放牧養豚ではシェルターと呼称しています。
水飲み場
食事場所は屋外でいつでも利用でき
自然界にある小さな「ほら穴」のようなイメージです。
豚小屋(以下、シェルターと記載)は
各パドックに一つを設置しています。
床下を掘り穴の中で寝る為、
床板はできるだけつけないようにしています。
当農場の場合、季節や時期により
雪解けや雨水で泥濘化することが多々ある為
床を付けたシェルターを作成したことがありましたが
だいたいワンシーズンで豚たちに破壊され
補修が必要となります。
小屋と言っても柱がまっすぐで
屋根が付いたタイプのものを想像しそうですが
壁が垂直の場合豚が中で暴れて
圧力が直接壁にかかる為
壊されやすくなります。
対策としてシェルター作成の際は
15センチ以上の経がある柱や部材を使用すること
通常、見栄えなどを考慮すると
柱の外側に壁板を設置するのですが
シェルター作成においては逆で
柱の内側に壁を設置するほうが望ましいです。
豚の圧力はとても強い為、柱の外側に壁を設置すると
寄りかかったり身体をこすりつけたりしている間に
いつの間にか壁が倒されてしまいます。
特に、大きめのシェルターを作成した場合は
シェルター内で大き目のグループが生活することになり
また、移動に自由が利くため運動力学上
圧力は増加します。
体重150㎏の豚たちが中で暴れるときの圧力は
移動距離×体重で倍増されます。
よって、柱、壁材はしっかりした部材を使うことが基本です。
私は柱は15センチ経以上
壁材は丸太を半分に割った、割板を使用し
特に荷重がかかる場所には気を付けています。
また壁が垂直なシェルター(以下、柱垂直型と記載します)
の場合、上方の屋根も
豚が飛び上がったりして鼻が届いてしまうと
あっという間に突き破ってしまいます。
かといって
あまり屋根高を高く作ると
冬季、シェルター内の
気温を保つことができず
体力維持が困難です。
あくまでシェルター。
ほら穴のイメージが大切です。
私がお勧めするシェルターは
何度も何度も破壊され
補修し
作り変え
を繰り返した結果
△屋根部分のみの
タイプがお勧めです。
私は、規格をそろえて
量産できるように
しています。
△シェルターの利点は
①経費
いわゆる一般的な小屋タイプより
材料が少なくて済み
経費が低く抑えられる点。
⓶保温性
室内、体積が少ない分、保温性が保たれやすいです。
③対圧性
壁が垂直ではないので
豚が内側から圧力をかけた場合でも
荷重分散でき、破壊されにくく
壁の補修頻度が低くなります。
④運搬性
比較的、軽量に作成できるため
場合により、移動が可能です。
個人的には、①と③の理由がお気に入りの理由です。
何度も壊され、補修する必要がありません。
このタイプのシェルターは
床が無い為
豚たちは自由に地面を掘り
少しでも風を避け掘った穴の中に身体を入れて
固まって寝ています。
夏は地面を掘りぬた場を作り
身体を冷やします。
問題となるのは雪解けのこの時期
豚たちの体温と相まって
凍っていた地面が解けて
水がたまった状態になることです。
前述のとおり水がたまり
身体が濡れると
夜間、まだまだマイナス気温ですので
一気に体力を奪われ
低体温症や
凍傷になってしまうことがあります。
その為、秋
雪が降る前の処置として
シェルター内に木製パレットをひいて
床面を作ります。
木製パレットは荷物運搬用で
安価で仕入が可能であるとともに
補修や補強がしやすい利点があります。
パレットは通常板と板の間が空いている為
豚たちが脚を挟めたりしないよう
薄板を補強して隙間をなくし
脚が入ったりしないように工夫をしています。
冬季、ある一定の期間シェルター内に置いておくと
やはりいたずらをして壊すため
春、この時期確認と補修は必要です。
雪が解け、地面が緩むと
シェルターの移動が可能になるので
シェルターを持ち上げ
中のパレットを補修したり補強したりして
また、藁をその上に置いて
整備します。
これらの「気遣い」が
この時期、
道東地域の放牧豚飼育には必要となります。