事業計画の見直し 時間管理/ワハハ牧場の考え方/少頭多畜/循環/自家飼料/加工/販売

事業計画の見直し 時間管理/ワハハ牧場の考え方/少頭多畜/循環/自家飼料/加工/販売

ここ数カ月

考えをつづけています。

正確には、考えることができる環境になってきました。

というのも年明け数カ月前からライフサイクルの見直しと

ルーティンの再構築を実行し考える時間、自分の時間の確保を目指して

ようやく新しいライフサイクルが少しづつですが定着してきました。

「時間が無い!時間が無い!」と言っていた自分を変え

すこしづつですが

考える時間を持てるようになってきました。

まずそれが一番大きなことです。

 

これまでサラリーマンの時代とちがい

個人事業主となってからは

一番大きな変化は、

「生活、プライベートと仕事の区別がなくなった」ことでした。

朝起きて、夜寝るまで常に事業のことを何かしら考え

いつ開放されるんだろう?

いつ気が休まるんだろう?

と思っていました。

何となくそれが当たりまえで馴染んでくるのもかな?とも思っていました。

人に目を向けたり

プライベートを考える余裕はさらになくなっていきました。

売上を上げる為

あらゆることにチャレンジし

どんどんカレンダーを埋め

自分で自分の首を絞め

酸欠になり水面近くでもがく日々を続けていました。

これらすべては自分でやって自分で苦しんでいたことです。

自衛隊時代

国は

「強靭」

という言葉をよく使っていました。

これは私の理解では

「強くてしなやか」

日本刀そのもの

ただ硬いだけでは折れてしまう。

硬く柔軟性があるからこそ

日本刀は「強く美しい」

頭では理解し体にしみつついたはずの「強靭」の考えが

事業を始めてからうまく実行できませんでした。

まさに「強靭」が「狂人」に変化し

あらゆるものを遠ざけて

孤立し

周りが見えなくなっていたと思います。

 

何度となく同じ失敗を繰り返してきました。

自分のことしか考えることができなかった。

変えたい。

変えなきゃいけないな。

大事なものをどんどん失ってしまう。

大事なものは失って気づく。

それの繰り返し。

少し考える時間を持つことは

本当に大切なことだと気づきました。

 

令和6年、販売事業を開始して3期目が終わりました。

ことしから4期目

沢山の失敗の中で

お客様や知人の声を振り返り

その中に一つに

「希少で数が少ないというのは利点にもなるが欠点でもある、買う側からすれば

欲しいときに欲しいだけ手に入らない」要するに融通性がない。

不便である。と

その時も今もですが

私たちの事業方針とはその考え方は、異なる。

「沢山、安く欲しいお客様は、そのように販売しているメーカーのような

大型事業者から購入していただけば良い」

「私たちの売りたいお客様は別のところにいる。」と

しかし、事業3期目を終え、継続し多くの気づきを得る中で

日々忙殺され思考整理ができていない自分に気づき

やはり何かを変える必要があり、売上目標の見直しは必要であると。

何より、当初描いた事業計画を忘れかけている。

この事業を始めるにあたり「夢」を数字にしたはず。

その頃の自分をすっかり信じていない、今の自分がいることに気づきました。

もう一度、事業計画を見直し

この事業を成功させるためにはどうすれば良いのか?を考えていく中で

私たちの「売りたいお客様にも商品を届けられていない」事実に気づき始めました。

お客様の期待や応援に甘え

「お客様を待たせている。」「我慢してもらっている。」事実にようやく気が付き

「は!」としました。

 

考えを変えて、事業自体を見直す必要性がある。

「もう一度事業全体を見直す時だ」と

そして10年先に向け

土台を築き直し

お客様に喜んでもらうため

そして何よりも私たちが「楽しくやりがいがある仕事」とするため

スケール(拡大)する必要がある。と

理念である「自然との調和」

を大事にし

それを崩さず

伝統農法として発展させる。

小さく、時間をかけて、積み上げ

若者が参入できる小さな農業として

稼げる形作り

10年後のカタチを作る。

それをどのように実現するか。

地図を描き直す必要があります。

 

私たちの事業方針

その原点となる考え方は兵庫県但馬にある「ワハハ牧場」の

「小さい畜産で稼ぐコツ・小頭多畜・加工でダントツの利益率!」著:上垣康成(農文協)

関連リンク:http://www.wa88.jp

です。

何気に事業開始当時、書店で手にした本

その本を手に取って

雷に打たれました。

あ!自分がやりたいことがここにつまっている。

「これがやりたい!」と漠然としていた事業のカタチが

おぼろげながらに見え始めました。

 

(ワハハの考え方)

飼料は自家生産

頭数は自家生産飼料に併せた適正頭数

少頭で多畜を生産し柔軟性をもつ

自然循環

自家精肉・加工

自家販売

必要のない機械は持たない

DIY

が簡単なワハハの考え方です。

一つ一つがシンプルですが

そこには、積み上げられた経験と

なぜそうなったか

のエッセンスが凝縮されています。

ここでは深い説明は省きますが

とても私に合った畜産のカタチだと思いました。

 

この手本に従って農場作りを進めて

私たちが生産を始めてマル4年が経ち

多くの課題に突き当たり

まだ未完成の部分が多くあります。

 

ひとつに飼料の自家生産

ワハハ農場はもともと米農家で土地と米作がベースにあります。

それを活用した形ですが

私たちには生産できる農地もノウハウもありません。

これはこれからの課題のひとつでまずは牧草から作りたいと考えています。

これも大型機械で作るのではなく

使用していない地域の雑草を小さなトラクタと機械で刈り取り

(自由に小回りが利くものでないとそれができない)

小さなロールを作る機械で人がもてるくらいの大きさのロールを作ります。

それを敷料といって豚のシェルター内に敷いたり

おやつがわりとして与える。

今は、敷料となる乾草ロールを購入しています。

牛用の乾草ロールは値段も上がり各種飼料と同じく使いづらくなってきています。

なにより言い値での買取りとなりますので自由度が制限されます。

これをどのように考えるか?が課題です。

また、大きさが300㎏を超えますので人の力では動かすことはできません。

大きなトラクターがあることが前提となる大きさなのです。

 

つぎに少頭多畜について

結論から、これは合理的考えで私たちの様な小さな畜産業者には

有効だと考え実践していく農業スタイルです。

現在の慣行農業とはかけ離れていますが伝統農法として

養豚だけでなく養鶏や肉牛の飼育を並行して行い

それぞれをカバーすることができれば理想です。

養豚だけでは何かしらの病気や

価格変動など急な市場の変化に対応できない場合があると考えています。

副業的役割としてに自家卵の販売や鶏肉販売

自家養蜂の販売などで少しでも現金収入が得られるのは柔軟性という面でも

力強いです。

何よりもいろいろな家畜をそだててみたい

そのほうが、面白いじゃないですか(笑)

わたしたちは「子供たちに見せたい農場を作る」が

モットーの一つなので

一つの家畜を工場のように作るのではなく

子供たちが喜ぶようないろいろな家畜が自然の中にい

る伝統農法的な農場にしていきたいと考えています。

今は、実験的に鶏卵を採取するための鶏を十数羽飼育していますが

自動販売機で卵の販売ができるくらいの規模にはしたいと思っています。

それと今年からの試みのひとととして養蜂に取り組みたいですね

ノウハウが無いので小さく始めてみます。やってみないとわからないですね(笑)

少頭多畜

これもまだ道半ばの実験途中です。

 

次に自家精肉と加工

私たちは、生産したお肉を自家販売するにあたり

手段として昨年までは

インターネットによる販売

ふるさと納税の活用

レストランなどの小売業者への販売

イベントでの直売で事業を運営しています。

実店舗を持たず

ECサイト内のショップ運営が主体です。

当初は、スライスやひき肉などの加工ができなかったため(許可施設が必要な為)

塊り肉専門店として販売していましたが

塊り肉の販売は思ったようにはいきませんでした。

そして、なによりお客様からは

スライスなどに加工したお肉の需要をイベントなどを通じ肌で感じるようになりました。

卸業者サイトに登録し塊り肉を卸業者へ販売も試みました。

販売がうまくいかなくても

相場感や卸業者が欲しいものはなにか?

何を考え何を探しているかを見るための勉強にもなると考えていたからです。

それぞれ効果があり

利益もでつつありましたが

それぞれ課題も多く見つけることができました。

卸価格になると薄利多売になり価格競争にのまれ私たちの強みが生かせないこと

少ロットでは相手が望む供給が難しいこと

サイト登録費用が発生するのでランニングコストが出ること

などから一年で撤退しました。

当初の課題は在庫が残ること

バラや肩ロースなどの人気部位は早くなくなりますが

ロース、モモとウデは在庫として何百㎏も残る。

私たちの冷蔵庫は当面販売用の少量ストックしかできないものですので

当面販売以外のお肉は大型保冷施設に依託して保管しています。

保管は重量と箱数による計算でランニングコストが発生しますので

在庫が多いとこれもボディーブローのように効いてきて足を引っ張り

何より精神的に圧迫されていました。

この状況を打破するためにいろいろなことを試みましたが

その中の一つとしてスライス・挽き肉などの加工を業者に外注し

お客様が買いやすい形にして販売すること。

この時点で戦略を変更し、塊り肉専門をやめました。

そしてもう一つは「一頭買い」として

全部の部位をまとめて購入していただくことです。

食肉加工には保健所の許可が必要です。

これは設備と機材が規格に応じたものでなければならないということです。

例えば84℃以上のお湯が出る。

洗い場として2槽シンクがあり、床が洗える構造になっている。

手洗いが別に設置されている。

照明の明るさ、換気扇の設置、壁の材質、天井の状態などなどです。

全てのスライス加工は外注で、と行きたいところですが移動、搬入や受領など

不効率なところも出てきます。

少量でも自社でスライス加工できるほうが急な受注への対応など柔軟性としてはある。

そこで

まず屠畜へ出荷する畜産公社へできるだけ販売できる大きさまでカット依頼すること。

(1㎏などのブロックにまで加工してくれます。)

二つ目の軸として外注業者を探して契約し経費をかけてでも依頼できる体制をとること。

3つ目の軸として課題である自社での加工ができる施設を持つこと。

を加工販売スタートに向けて進めていきました。

関連リンク:https//:tikusan.securesite.jp 

と畜場である北海道畜産公社はその昔雪印やホクレンが共同出資し

時代とともに、各自治体や農協などが出資協力するとともに

国からの補助を受け統廃合などの変遷を経て、現在のカタチとなっています。

全国には多くのと畜場があり形態はさまざまですが

北海道では主たると畜場として存在しています。

まずこのと畜場である畜産公社に屠畜の申請を受けてもらうところからスタートです。

北海道畜産公社は道内各地区に5か所の工場を持ち

私たちが一番近い工場は十勝工場となります。

距離は約100㎞、時間にして高速道路で約2時間の距離となります。

十勝工場は一日、牛450頭、豚350頭を処理する

地方の中核をなすとても大きな施設です。

近隣である十勝地方はもちろん私たちの様な釧路根室地区から

畜産業者や農家が一同に集まります。

ここでは、大量の家畜たちが

全てシステマチックにラインに乗せられ処理されて間違いが無いように

食肉へと形を変えていきます。

その過程で、各種検査を受けパスしたお肉しか世の中に流通しません。

この中にモリマサ農場の豚を一頭

入れてもらうわけです。

はたして一頭の豚の屠畜をうけてもらえるのでしょうか?

北海道畜産公社では

一般業者などが持ち込む屠畜申請と

私たちのような個人が持ち込む個人と畜申請という制度があります。

この個人と畜申請を何百という屠畜ラインの中に入れ込んで

屠畜解体正肉にしてもらいます。

私の場合、初めての申請では、まずは北海道畜産公社本社へ連絡を入れ

このような申込をしたいのだが受理してもらえるか?を問合せし

担当者から連絡で十勝工場で受理するので申請を進めてもらいたいと連絡がありました。

この後、十勝工場と実際の打ち合わせ。(電話対応)

申込の要領やカットの要望書の作成に取り掛かり

ようやくと畜の段取りができたという次第です。

 

当初私たちは塊り(ブロック販売)を主体として販売していくように販売要領を考えていましたので

十勝工場へは各部位ごと細かくカットの要領を示した資料を作成して提出し

担当者と電話で間違いが無いよう確認を重ね

それぞれの部位ごと

例えば、ロースは1キロごとにカット

     モモは内もも、外モモ、シンタマを分けてそれぞれを1キロごと

     スペアリブは別で

     スネは別で、ウデの箱に入れて

     箱は各部位毎分けて

     脂は一センチでカット

     豚骨は受領

     内臓は凍結で各部位ごと

     などなど

 細かく、依頼書を提出し商品化をしていました。

親身に要望に対応してもらえますが

依頼書をしっかり書かないとうまくいきません。

口頭では伝わらないし間違いやこちらの思ったものと違った形でお肉が出来上がってしまいます。

そこは注意が必要ですが2年以上取引を続けていくと何となくスムーズに行えるようになってきました。

 

つぎに課題としていた

スライスなどの外注加工です。

まず初めに行ったことは

スライスなどを業務として行っている事業者を探すところからでした。

先輩の秦先生から

帯広市内の精肉加工業者からは何年も取引していたのに、突然断られた。と話を伺っていました。

理由は、どの業者も人員不足、業務多忙で、他の業者の加工まで手が回らない、というのが理由の概要です。

この状況を受け、我々の地区である釧路地区も厳しい状況が予想されました。

釧路市内にある何か所かの事業所に連絡を入れスライスなどの加工を依頼しましたが

予想通り、引き受けてもらえる事業所はありませんでした。

特に大きな事業所になるほど厳しい状況でつけ入るすきもないといった感じを受けました。

またもや事業存続のピンチです。

何とか探さないと、と電話をかけ続けていくうちに一か所の精肉店が話を聞いていただけるとのことで

早速伺い、話を聞いていただきました。

私たちは創業して間もないこと

生産した肉を自分で販売したいこと

などなど

今までの起業の経緯を聞いていただき

受注していただけるということになりました。

本当に感謝ですね。

これでなんとかスライスやひき肉にしてお客様に提供できるようになりました。

当初は、在庫が沢山あり早く売りさばきたいとの思いから

500gパック×2で販売していましたが

イベントなどでお客様から直接の声として

「多すぎて使い切れない」

「高齢で一人暮らしだから無駄になる」

などの声をいただき

現在は300gパックに変更しお客様が使いやすい形にして提供をしています。

しかしのちのちこれが問題を引き起こします。

常に課題の連続ですね。

事業展開する中で財務を考えることは重要です。

その中でも最も重視することが

売上げです。

経費や税金のことを考えるのはとても大切ですが

損益計算書のトップに来る売上げをいかに出すか

家畜の命をうばい一生懸命に作り上げたお肉を

喜んでいただけるお客様にお渡しして初めて

売上げが生まれます。

これが事業の根源であり原点だと考えています。

そこにまずは努力を集中する。

そして粗利をどれだけ残せるか。

粗利から経費を綿密に調整し

利益が生まれます。

私の考え方は

「次に展開する「夢」である事業に利益を投資する。」です。

その利益がいくら必要か?

後は単純で

その為にはいくら売り上げが必要か?を考えることです。

売上げを作るなかで欠かせないことが商品を生産すること

私たちの場合、スライスやひき肉商品を売上げたい金額分つくること

となります。

例えば月に¥500,000売上たければ

スライス商品が単純に¥1,000の場合

500パック(300g/1パック)必要となります。

お肉量に換算すると

約150㎏となり

3頭分を毎月販売することが必要です。

(一頭の枝肉重量が約80㎏前後、歩留りを考えて約50㎏程度です。

これに関しては後に詳しく説明します。)

それ以上のお肉を売上げたければ300㎏、400㎏と

それに伴い加工量も1000枚、2000枚と増えていく

まちのお肉屋さんで、一度に100㎏、200㎏のお肉をスライス加工する能力はありません。

食肉センターなどの企業には小さすぎ取り扱ってもらえない。

丁度中間の扱いづらい層になってしまうことに気が付きました。

販売したいが商品が作れない。と

問題発生です。

街の精肉店からは「300gは細かすぎて手間がかかる」

「量が多いと対応できない」「加工料が安すぎて労力と合わない」と言われる結果になる。

悩んで試行錯誤を繰り返し私が考えた答え

この問題を解決する為の考え方は3つ

まず

一つ:加工の外注先を増やし、発注量を分散する。

一つ:自社で加工所を立上げ、発注量を分散する。

そして最後に

一つ:枝肉や正肉(大きな部位ごとの塊り)で販売する。

これは、一頭で発注してくれる売り先を開拓することです。

一頭で受注した先が、自分の切りたいように使いたいように加工し

お客様に料理として提供する又は小売として販売する。

こういった取引先を開拓することができれば加工の手間が半減できると考えました。

法人営業。

これは未開拓領域です。新たな挑戦が始まります。

レストランのみならずホテル、病院や企業の社員食堂などが候補です。

一つ目の、加工外注先を増やす。について

過去、断られスライス加工の外注が頼めなかった事業所もふくめ

再度、リサーチし漏れが無いかを確認するとともに

ロジスティック(物流)を考え

無駄のない場所であり効率が良く余分なコスト(お金、時間)がかからない

場所を探して、再アタックを繰り返しました。

スライス肉の販売を開始しした当初からは時間がたち加工事業者も

状況が変化しているかもしれない。と

2つ目は、自社加工施設の立ち上げです。

前述したとおり施設が必要となり

見積もると大きな出費となります。

また私たちは生産から販売までをこなすため

スライス加工に重点を置いたお肉屋さんのイメージではうまくいかないと考えました。

あくまで主軸は農場づくりであり

その為の販売である。

そこで

スライス加工の主軸は外注、不足分を自社加工場でというイメージです。

今までは、スライスの受注があるとその月のストックのなかから納品し

在庫が少なくなると少量でも外注先に加工発注をかけ、約一時間かけて搬入し

一週間後に取りに行く。を繰り返していました。これは非常に時間を割き効率が悪い。

また、どうしても緊急の場合は、先方に無理を言って加工してもらい車を飛ばして

往復2時間をかけ商品を作るという具合です。

先方に無理を頼むのもストレスです。精神的に疲労しますし、そしてなにより、やはり時間効率が悪すぎる。

自社加工所はこの問題を解決する手段として投資する価値があるか?をなんども考察し

柔軟性を向上させるためには「必要である。」と判断しました。

その為

出来るだけコンパクト。しかし必要な機能はしっかり備え安全で安心なお肉を提供する。

がコンセプトです。

自宅兼事業所裏の倉庫を改築し外装にはコストをかけず

内装をできるだけ自分で手掛ける。

どうしてもできない水道上下水の立ち上げや電気工事

壁紙や天井のクロスなどはプロにお任せし

基礎や床張りコンクリート土間の作成などは自分でDIYする。

冷蔵庫などの機材は「小規模事業者持続化補助金」リンク参考:を活用し

大型機材をそろえる。

これら最低限を進めるとともに保健所に相談し

指導を受けながら最小限で必要設備を準備しました。

 それでも

〇水道立上げ工事:¥40万

〇内装工事:¥60万

〇設備:¥50万

以上の出費で、まだ現時点で運用、立上げには至っていません。

私はこれで

創業に際し調達した「日本政策金融公庫」からの

創業融資を使いきってしまいました。残るは10年続く返済のみです。

勉強というには大きすぎる失敗でしたが、これをも糧にして進むのみです。

 

(目的・価値観の見直しと目標の再構築)

私は前述したように、ここ最近多くの書籍にふれ

多くの方の知識にすがり、生きる道を探しています。

そして

良いと感じたものは自分に取り入れるを繰り返し行っています。

その中で

「あっという間に人は死ぬから 時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方」 佐藤舞著 / KADOKAWA 

 

感銘を受けた言葉

人生に苦しみは必要である。

人は必ず死ぬ。

人は孤独である。

人には責任がある。

 

苦しみから逃げる為

今まで私は必死に努力をしてきました。

そして死からも、孤独からも逃げていました。

そのことに気づかせてくれました。

 その中で取り入れたもの

価値観・目的を見直し

目標を再構築して

その手段を探し、実践する。

です。

シンプルな真理ですが

自分が今まで培った軍隊の考え方そのものであり

すうっと腹の底に落ちてきました。

またここで原点に戻りました。

やはり原点にもどる。

 

私の価値観・目的

〇経済的、精神的自由を得た人生をおくる。

〇私の子供たちを支援すること。

〇困っている人たちを助けること。高齢者、障害者及びその他マイノリティー

〇地域の相談役になれる人物になること。

〇強きをくじき、弱気を助ける、子供のころにあこがれたヒーローになること(デビルマン、ドロロン閻魔くん)

〇父の様な人物になること。

〇子供たちが帰れる「ふるさと」を作ること。

〇自然と共存する暮らしをすること。

〇農で起業を目指す若者や人々の目標となるビジネスモデルのカタチを作ること。

〇無理のない自然と調和した伝統的な農法を実践すること。

その為の目標(現時点での)

〇放牧豚ビジネスを概成すること。

 目標売上:1000万円

 マイクロ法人化

 一名の正規雇用

 関連コンテンツビジネスの構築

 目標売上:1000万円

 ハンティングスクール、書籍3年後に出版、講演、農猟アパレル、ギアブランドの立ち上げと販売。

〇そのための手段

 個人への販売を確立すること。地域戦略への絞り込み。シフト

 法人営業。

 一頭での販売。契約受注生産。

 

その中で大きく変更する事項。

経営上、販売頭数を増やす必要性から、飼育頭数を増加させる。です。

これはポリシーである小さな農場で自然循環を作る。

土地に合った適正な頭数を飼育し自然を破壊せず、自然と助け合いながら共存する。

と相反し自然を少なからず侵す行為にもなりえます。

自分の農場における自然の回復力などキャパシティーを見極めながら

自然と会話を継続しつつ行うべき作業です。

工業的な開発にならないように養豚をコントロールする。

とても高度で難題です。

しかし私の目的、価値観に照らし合わせ

進めるべき課題だと考えました。

 

豚の繁殖について

これまでは、自然繁殖にこだわりを持って続けているつもりでした。

人口受精がどこか引っかかるものがあって。

研修中、訪れた和牛農家。

和牛の受精卵や精子を競馬のオッズ表のようにまとめられ

どうしたら高く売れるか?を馬券を買うがごとく話している姿を見て

日本の農業はどうしてしまったんだろう?とぼんやり思ったことが始まりです。

この地方の酪農における人口受精の現実は

メスのホルスタインに雄の精子を人工的に注入し受精させて出産させ

仔牛は販売に(一部は搾乳牛に入替の為残す。)

親牛は牛乳を搾る為に子供を産まされる。

システマチックに工業的に

それだけにとどまらず

和牛繁殖は、ホルスタインに対して体も小さく、軟弱な和牛を繁殖する為

和牛同士の交配だと母体に負担がかかり、たえられない

和牛種に比べ大型で出産が安定したホルスタイン種に和牛種の卵子を注入し

そこにオッズ表で選んだ和牛の精子を着床させる。

ホルスタインが生んでも卵子も精子も和牛の物だから、和牛であると。要するに代理出産である。

そしてホルスタインは自分の卵子でも無い、何ら関係のない、和牛の子供を見覚えが無いあいだに身ごもり

出産し、そしてまた搾乳される。

人はなんと恐ろしい生き物か

神がいるとすれば

これらの行為はいかなるものか?と

この体験と知識から

人口受精には懐疑的でした。

わたしはオスとメスがいて種の繁栄の為

種の存続の為

自然に交配し、生き残る。

これが自然で良いなぁと

自然繁殖を行ってきました。

しかし、そこには勝手な思い込みもあり

私が飼育する豚たちを、何かしら擬人化し恋人同士やカップルの様な感覚で見ていたのかもしれません。

すでに自然繁殖であったとしても時期をコントロールしすでに不自然なのです。

完璧にすべて自然任せにしたら管理ができず私が目指す養豚ではなくなる。

しかし和牛の様な振り切ったゆがんだ世界にはしたくない。

そして経営上からくる販売頭数を増やす必要性。

色々考察し悩み抜いた結果、やってみる。

私は、方針を変更して、その必要性から

生産者として

今年から人口受精に取り組もうと考えています。

今いるオス豚のゴーゴーと母豚マミー、テレサはそのままに

昨年生まれのメスを2頭人口で繁殖する母豚として育て

人口受精を試みる。

今後、良いオス豚を継続して探すのは当然ですが

人口受精もスキルとして「できる養豚場」として一段階上のレベルを目指します。

しかし

そこには倫理を侵さない、一線を超えない(一線とは私が思う一線であり私個人の問題です。)

畜産における繁殖を考え

進めてみたいと考えました。

これも新たな挑戦と思い見守って下さるとありがたいです。

さて

ようやく、前に進めそうな気がしてきました。

つづく